憶念
提供: 新纂浄土宗大辞典
おくねん/憶念
心に銘記して忘れず、常に想い続けること。主に仏を常に想って忘れないことを指す。曇鸞は『往生論註』上に十念の「念」を解釈して、「此の中に念と云うは此の時節を取らざるなり。但だ阿弥陀仏を憶念するを言うのみ。若しは総相、若しは別相、観縁する所に随いて心に他想なく、十念相続するを名づけて十念となす。但だ名号を称うるも亦復た是の如し」(浄全一・二三六下~七上/正蔵四〇・八三四下)と説き、善導は『観経疏』散善義に「若し前の正助二行を修すれば、心常に親近して、憶念断えざれば名づけて無間となす」(聖典二・二九四/浄全二・五八下)と説いているように、両者とも浄土往生のためには憶念の相続が必要であるとするが、この憶念相続は、称名(もしくは正行)継続の上に成り立つものとしている。
【参照項目】➡憶想間断
【執筆者:梶原隆浄】