二巻。青蓮院一七世門跡の尊円(一二九八—一三五六)撰。本書は、法然の浄土教義の要諦を示したもの。また、尊円は『四十八巻伝』の詞書の筆者の一人でもあることから、随所にその詞書とほぼ同じ文が見られ、その緊密な関連性をうかがうことができる。特に巻二〇~二三と二五からの引用が集中している。
【所収】山下哲郎「翻刻 天理大学附属天理図書館蔵『往生至要抄』」(『駒沢国文』三三、一九九六)
【参考】山下哲郎「『往生至要抄』考」(『駒沢国文』三四、一九九七)
【執筆者:和田典善】