なごやかな笑顔とやさしい言葉の意味。人に接するときは柔和な表情でやわらいだ笑顔を示し、親愛の情を込めたおだやかな言葉で話すのが、念仏者の常日頃の心掛けである。『無量寿経』上の「四誓偈」に続く一節に、法蔵菩薩の常の姿として説かれている。「和顔愛語して、意こころに先だって承問す」(聖典一・二三五/浄全一・一二)という経文の説くところは、にこやかにほほえんで、やさしく話し掛けることに加えて、相手の心持ちを先んじて知り、その思いを満たしたいとの気遣いや心配りである。なお別本には「和顔軟語」とある。
【執筆者:勝崎裕彦】