三巻。貞極述。延享元年(一七四四)六月成立。宗戒両脈について、初学者への教誡の一助となるよう講義録をまとめたもの。念仏を「我門の要法」、円戒を天台宗受持の「止観の方便の要法」と定義して、両者がともに血脈として受け継がれてきたことを述べ「両脈自他二要」と題すとしている。上巻で宗脈を、中巻で戒脈を説き、下巻には『円戒二掌記』『円戒教示鈔』を収載している。末尾において、著者の没後にも「全く面談の如く」なるよう書き残すと述懐している。
【所収】『四休菴貞極全集』上
【執筆者:渋谷康悦】