りょうげしょうききがき/領解抄聞書
一巻。『領解末代念仏授手印聞書』『領解抄見聞』ともいう。良天聖観撰。成立年次は不詳だが聖観の生存年代よりすると、一四世紀頃の成立と考えられる(末尾の良智による書写の日付は永禄九年〔一五六六〕)。名越派四世にして派の基礎を確立し教線を拡大した聖観が、良忠『領解抄』を注釈し弟子の良寂に与えた小編。『領解抄』の構成を、三心について一六種の四句(計六四句)に細分してその関連を解説し、特に「虚実」について論考を加えている。
【所収】続浄一〇
【参照項目】➡聖観一
【執筆者:渋谷康悦】