りゅうてき/竜笛
雅楽で用いる横笛。雅楽の笛には神楽笛、横笛、高麗笛の三種類があるが、竜笛は横笛の美称が定着したもの。おもに中国大陸から伝来した唐楽を奏する楽器で、法会での入退堂、献供、声明などの附楽にも使われている。竹製で、全長は約四〇センチ、歌口と七個の指穴があり、管の内壁は朱漆で塗られている。外周には桜の樹皮を細く糸状にした樺巻をほどこし、首(頭部)には蟬と称する竹の枝跡や唐木を埋め込んだ装飾がある。首の内部に鉛の棒を詰めて重心を調整し、赤地錦でくるんだ木栓を埋め込んでいる。
【参考】『楽家録』(『覆刻日本古典全集』現代思潮社、一九七七)
【参照項目】➡雅楽
【執筆者:八木千暁】