一巻。『略論安楽浄土義裏書見聞』『略論安楽浄土義見聞』ともいう。良天聖観述。文和五年(一三五六)から応安二年(一三六九)までの成立。名越派の良天が師匠である良山妙観の『略論裏書』に対し、四九項目にわたって師から受け継いだ宗義を説き明かし註釈を試みたもの。『略論裏書』についての先師の見聞を示して、西方の最勝、他力の大綱を示している。巻末には追加として「期浄国」について、良山の略歴について、伝書の師資相承の次第についてが記されている。
【所収】続浄六
【執筆者:加藤芳樹】