二巻。『略論安楽浄土義註解』ともいう。巌的述。元禄四年(一六九一)作。本書は巌的が大坂生玉いくたまの叢林において著したもので、曇鸞『略論安楽浄土義』について題号、作者、文相の順で、列祖先徳の釈義を引用し尊重するとともに、自答形式の問答や「愚案」という書き出しによって私見を述べ、一文一句一字にわたるまで詳説している。そのなかで文相について、『略論』の第一問答を「一論の大意を表すなり」、第二問答から第五問答を「入文正宗の旨を示す」、第六問答を「正しく是れ流通分の意なり」と分類している。
【所収】続浄六
【執筆者:加藤芳樹】