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聞悦

提供: 新纂浄土宗大辞典

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もんえつ/聞悦

一七世紀頃、生没年不明。登蓮社叡誉直心。俗姓不詳。廓山かくざんに師事して館林善導寺七世、のち小石川伝通院四世に住す。また小石川伝通院殿(徳川家康の母)の荼毘の跡地に光岳寺智香寺の二箇寺を建立。博学玄鑑であり、その名は檀林に響いた。のちに伝通院に住し、講席の閑暇に池のほとりを游望していると、影頂に十一面観音の像が現れ、これを見た学徒は「観世音(菩薩)の応化」と尊んだという。また、ある夏に大旱魃かんばつが起こり、多くの民が苦しんでいたとき、聞悦が青天に向かって観誦すると、終わらないうちに雷電が起こり、その日は大雨が国土をうるおしたという。


【資料】『鎮流祖伝』七(浄全一七)、『総系譜』中(浄全一九)、『浄土宗寺院由緒書』中(『増上寺史料集』六)


【執筆者:原口弘之】