平基親が法然に宛てた注進状。『昭法全』に二編が収録されている。其一は漢文と和文、其二は漢文のみからなり、字句の相違が甚だしいとの理由から、末尾に正徳版『漢語灯録』所収のものが載せられている。内容は、基親が一念義の者と自身とのやり取りを書状にして、法然に知らせたものである。構成は、はじめに『無量寿経』や『往生礼讃』を引き、次に基親と難者の問答、最後に基親の理解を記したものとなっている。
【所収】聖典六・四五六~八、昭法全五五二~四、浄全一〇・四五一下~二下
【参照項目】➡基親卿に遣わす御返事
【執筆者:石田一裕】