一巻。拙菴戒度註。南宋・紹興二〇年(一一五〇)成立。霊芝元照がんじょう撰『無量寿仏讃』の注釈書。同書は、元照の滅後数十年を経た俊芿しゅんじょう入宋の折にも盛んに読誦されていたほど宋の人々に浸透しており、注釈書も早くから作成されていた。しかし、戒度はそれらが作者元照の意を抑えてしまうものであると考え、新たに経論を用いて註をほどこし、元照の説く唯心浄土・本性弥陀の教えを明瞭にしたのが本書である。
【所収】続蔵七四
【資料】俊芿「無量寿仏讃註後序」(続蔵七四)
【参照項目】➡無量寿仏讃
【執筆者:吉水岳彦】