むしょうしょうじょうほうしゅみょうごう/無生清浄宝珠名号
濁水を清浄な水に変える摩尼宝珠のように、生死の罪をもっている者であっても、真に清浄な心にして極楽へ往生させる功徳をもつ阿弥陀仏の名号のこと。曇鸞『往生論註』には「譬えば浄摩尼珠を、之れを濁水に置けば水即ち清浄なるが如し。若し人無量生死の罪濁有りと雖も、彼の阿弥陀如来の至極無生の清浄宝珠の名号を聞きて、之れを濁心に投ずれば、念念の中に罪滅し、心浄にして即ち往生を得」(浄全一・二四五下~六上)とある。
【資料】良忠『往生論註記』四(浄全一)
【執筆者:吉水岳彦】