一巻。厭求の伝記。厭求の弟子、祐山が正徳四年(一七一四)に漢文体で作成。その後、厭求の孫弟子、信阿宅亮が和文に改めて明和五年(一七六八)に作成、文化一一年(一八一四)に版行された。それによると厭求は、常に「深く厭欣を起こし、他力本願を信じ、口、常に仏名をとなへて疑ひなく往生をまつ、是を要とす」と勧め、「凡そ日課を授与するもの、数十万人なり」と記されており、民衆に広く支持されたことが知られる。
【所収】浄全一八
【参照項目】➡厭求
【執筆者:伊藤真宏】