みょうが/冥加
仏・菩薩から蒙る、目には見えない加護をいう。冥護・冥祐・冥利ともいわれる。対して目に見える加護は顕加という。冥加・顕加を区別せず、仏・菩薩の加護を指して冥加という場合もある。これら冥加を乞い感謝し、寺院等に納入される金銭を冥加金・冥加料、または単に御冥加といわれる。法然『選択集』一六には、善導が『観経疏』を撰述した由来が示されるなかで、「『観経』の文疏を条録するの刻、すこぶる霊瑞を感じ、しばしば聖化に預れり。すでに聖の冥加を蒙って、しかも『経』の科文を造る」(聖典三・一八七)とあり、『観経疏』が冥加を蒙り撰述されたことを述べている。
【参照項目】➡加被
【執筆者:沼倉雄人】