死者の胸の上、あるいは枕元に置く小刀のことで、武家が死者の枕元に刀を置いた名残ともいわれるが、民俗学的には、刃物に宿る霊力により、死者の荒魂あらみたまを鎮め、あるいは悪霊から守る意味があるとされる。したがって、刀に限らず刃物であればよく、一部の農村では鎌を置く習慣もある。現在では、葬儀社が袋に入った守り刀を準備して、死者の胸元または棺の上に置くことが多い。
【参照項目】➡葬送儀礼、枕飾り
【執筆者:熊井康雄】