摩尼
提供: 新纂浄土宗大辞典
まに/摩尼
各種の宝石の総称。ⓈⓅmaṇiの音写語。末尼とも音写され、珠、宝珠と訳される。その浄い輝きから、濁水を清らかにしたり、病を治したり、解毒したりする浄化作用があると考えられていた。また、思いどおりになる力をもつ摩尼を如意宝珠、如意珠(ⓈⓅcintā- maṇi)と呼ぶ。曇鸞『往生論註』下には「浄摩尼珠を、これを濁水に置けば、水即ち清浄なるが如く、もし人、無量生死の罪濁ありといえども、かの阿弥陀如来の至極無生の清浄宝珠の名号を聞いて、これを濁心に投ずれば、念々の中に罪滅し、心浄くして、即ち往生を得」(浄全一・二四五下~六上/正蔵四〇・八三九上)として弥陀の名号を摩尼に喩える。
【参照項目】➡宝珠
【執筆者:吹田隆道】