ほんめいかいごしゅう/翻迷開悟集
六巻。巌的著。正徳二年(一七一二)刊。日蓮宗の淵海『邪正問答』を批判した書。貞享元年(一六八四)頃、肥後国八代で浄土宗・一向宗と日蓮宗との間で宗論が行われた。日蓮宗の久蓮寺淵海はこれに勝利したとして『邪正問答』(貞享元年刊)を著した。これを一読した巌的が、二七項目について反駁を試み、二〇日間で書き上げたのが本書である。この中で巌的は浄土宗が正で、日蓮宗が邪であることを主張し、『邪正問答』から影響を受けた読者に対し、浄土宗への帰入を促している。
【参照項目】➡巌的
【執筆者:伊藤真昭】