墓地
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:32時点における192.168.11.48 (トーク)による版
2018年3月30日 (金) 06:32時点における192.168.11.48 (トーク)による版
ぼち/墓地
遺体や遺骨、遺髪などを埋葬する、あるいは埋葬した場所。また、それらを収蔵して墓を建てる土地。法律では「墓地、埋葬等に関する法律」(昭和二三年五月三一日、号外法律第四八号)第二条によって規定され、管理主体から分類すれば「公営墓地」と「民営墓地」に分類される。墓地は仏教が民俗化していく面と、民俗信仰が仏教に意味付けを与えられて仏教化していく面とが習合して生まれた歴史的産物である。したがって墓地は非常に多様性に富んでいる。墓地の経営許可に関する判断基準は、主に「墓地、埋葬等に関する法律」に規定されるところで厚生省が直接扱ってきたが、昭和五九年(一九八四)一月の法改正によって、従来の厚生省機関委任事務から都道府県および政令指定都市の団体委任事務とすることになった。以後、墓地等の経営許可は都道府県知事が定める規則にしたがって実施されている。この改正は、地域毎に違いをみせる習俗に配慮したものであった。一方、地方自治体が運営する墓地は、「永続性」「非営利性」「必要性」の三大原則を謳っている「墓地、埋葬等に関する法律」の基本理念や国の指導に基づいて運用・指導されている。
【参考】藤井正雄編著『墓地・墓石大事典』(雄山閣、一九八一)、同『お墓のすべてがわかる本』(プレジデント社、一九九一)、藤井正雄他編『家族と墓』(早稲田大学出版部、一九九三)、藤井正雄・長谷川正浩共編『Q&A 墓地・納骨堂をめぐる法律実務』(新日本法規出版、二〇〇一)
【執筆者:藤井正雄】