福島県いわき市平字古鍛冶町。涅槃山袋中寺。福島教区№四。慶長四年(一五九九)大館城主岩城貞隆は、当時折木成徳寺住職であった袋中に帰依し、城内に称名の道場を建立し菩提院と名付けた。同八年鳥居忠政の入封により城の南側に移転した。またその頃疫病が流行したが、袋中の施薬により患者を救済したことでさらに帰依者が多くなったという。その後、数度の火災にあうが復興され、大正六年(一九一七)に区画整理のため現在地に移転した。堂内には袋中像が祀られている。
【資料】『浄土宗寺院由緒書』中(『増上寺史料集』六)
【参考】横山重編著『琉球神道記』(角川書店、一九七〇)
【執筆者:𠮷水成正】