ほうねんのかなしみ/法然の哀しみ
梅原猛著。平成一二年(二〇〇〇)小学館刊。本書は梅原猛著作集の第一〇巻として発行された。序章終章合わせ一四章より構成されている。法然の伝記の比較を通じ、著者独自の解釈を示しながら、法然の人生と思想の考察を行い、それまでにない新たな法然像を投げ掛けた。また善導、法然、親鸞等の著作を通して、法然教学の歴史的考察を行うと共に、特に一人の人間としての法然を明かすことに重きを置いた書である。同一六年に加筆訂正を行った文庫版(上下巻)が刊行されている。
【執筆者:梅谷正隆】