法然上人の現代的理解
提供: 新纂浄土宗大辞典
ほうねんしょうにんのげんだいてきりかい/法然上人の現代的理解
諸戸素純著。昭和三九年(一九六四)、知恩院浄土宗学研究所刊。浄土シリーズ1。宗教学者で浄土宗僧侶の著者が、法然教学の現代的理解を語る書。一、新しい宗学を求めて、二、宗教心の開発と発展、三、出発点としての人間観、四、凡人の宗教、五、宗教的神秘体験、六、凡人を救う仏、七、超え行く力、八、選択の思想、九、念仏と現代人、一〇、信仰の宗教、の全一〇章から成る。宗学の特質を宗教研究におけるキリスト教神学に学びつつ明確に提示し、宗祖法然の生き方を主体的問題解決の課題において捉えた点に特徴がある。その視点と方法論は、現代の諸学・諸宗教が抱える課題への応答を示唆している。
【執筆者:藤本淨彦】