高千穂徹乗(一八九九—一九七五)著。昭和二九年(一九五四)七月、永田文昌堂発行。浄土真宗本願寺派の夏安居げあんご(同二九年度)における副講の任を承け、『選択集』の講述を務める際にしたためられたもの。法然の教学の特質を各門弟の展開より論じる。取り上げる門弟は聖光・信空・幸西・隆寛・証空・親鸞・長西・一遍にまで及び、特に各人の菩提心の検討に力が注がれている。著者は龍谷大学教授、浄土真宗本願寺派勧学、熊本県仏厳寺住職。
【執筆者:能島覚】