ほうねんあたま/法然頭
法然の頭の形、または、それに似た頭部の形状をいう。御影や伝記に描かれる法然の頭頂部は、前丘が低く、後丘が高く、その間が谷のようにへこんでいる、窪(圩)と呼ばれる特徴的な相を有している。例えば、中里介山『大菩薩峠』に「ことにその頭が法然頭——といって、前丘は低く、後丘は高く、その間に一凹の谷を隔てた形は、どう見ても頭だけで歩いている人のようであります」とあるように、人相の特徴を表現する際に使用されるが、一般に吉相とも言われる。
【参考】中里介山『大菩薩峠』(春秋社、一九二二)
【執筆者:東海林良昌】