ほうきかい/謗毀戒
『梵網経』に説かれる四十八軽戒のうちの第一三戒。仏弟子たる者、悪心を以て、何事も犯していない他の良人・善人・法師・師僧・国王・貴人を謗って七逆十重の罪を犯したと言い触らし、父母兄弟六親には孝順心と慈悲心を懐くべきであるのに、反逆し危害を加えて不如意の処に堕としめれば軽垢罪に当たるとしてこれを制する。なお、不如意の処については文字通り意に違う処のほか、地獄の別名、三途と解されるが、事実無根の誹謗によって父母等が悪道に堕ちるほどの怨恨の心を生じさせてしまうことが軽垢罪となるとの指摘がある。
【参考】石田瑞麿『仏典講座一四 梵網経』(大蔵出版、一九七一)
【参照項目】➡四十八軽戒、軽垢罪
【執筆者:袖山榮輝】