宝王三昧念仏直指
提供: 新纂浄土宗大辞典
ほうおうざんまいねんぶつじきし/宝王三昧念仏直指
二巻。明・妙叶集。洪武二八年(一三九五)頃の成立か。念仏三昧について述べた書。妙叶は念仏三昧を専修した天台宗の僧侶である。本書の主旨は、念仏三昧はすべての三昧の中、最も勝れた三昧で、また「至円至頓」の法門で、すべての衆生を救済できるので、道を得る最も便利な法門だと指摘する。本文は二二編からなり、その後に二編の付録が収録されている。唯心浄土・自性弥陀を説き、往生を欲する者は、戒・解・行・向の四法を具足すべきことを説く。また、「一願四義門」を主張し、念仏の意義は一つの願でまとめることができ、その願は戒・解・行・向の四つの意味からなるとする。本書は明末の智旭によって編纂された『浄土十要』に、第七要として収録されている。
【所収】正蔵四七
【参照項目】➡浄土十要
【執筆者:肖越】