回向しなくとも自然に浄土往生が叶う行のこと。善導の『観経疏』散善義に示す五種正行のこと。『選択集』二には、他の仏・菩薩への行を雑行と判じ、回向を用いなければ往生浄土の業にならないとし、正雑二行の優劣を比較する五番の相対の第四に、不回向回向対が説き示されている。行観の『選択集秘鈔』二には「念仏は地体不回向の行なり」(浄全八・三八一下)と説かれている。
【参照項目】➡回向、五番相対
【執筆者:粂原恒久】