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念仏往生明導箚

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ねんぶつおうじょうみょうどうさつ/念仏往生明導箚

二巻。華厳宗ほう󠄂僧𤀹たんそうしゅん撰。享保一五年(一七三〇)六月刊。江戸中期、天台宗の霊空光謙述『即心念仏安心決定談義本』に端を発した即心念仏の問題について、華厳の学匠である著者が天台宗の霊空、浄土宗西山派の殊意痴、鎮西派の敬首きょうじゅの所説を論難破斥したもの。上巻においては天台宗知礼の『即心念仏』、さらには智顗の『観経疏』『妙宗鈔』『十疑論』を取り上げ、下巻においては曇鸞の『往生論註』、善導の『観経疏』の所説を論破している。この書に対する反論も多く、浄土宗義海は『蓮宗禦寇編れんしゅうぎょこうへん』を著し、真宗大谷派の法霖は『浄土折衝篇』を著すなど論争が行われた。


【所収】続浄一四


【参考】福𠩤隆善「江戸中期における念仏論争」(『浄土宗学研究』六、一九七二)


【参照項目】➡即心念仏安心決定談義本蓮宗禦寇編


【執筆者:伊藤弘道】