「ふたかみやま」ともいう。奈良県と大阪府の境、金剛山地の北端に位置する死火山で、雌岳(四七四メートル)と雄岳(五一七メートル)の二つの山頂を有する。飛鳥から見ると雄岳と雌岳の間に日が沈む様子から、古来、神聖な山岳として崇められ、浄土信仰と結びついた。東麓奈良県側には当麻曼陀羅を奉る當麻寺が、西麓大阪府側には聖徳太子・推古天皇等飛鳥時代の墳墓が多数ある。雄岳の山頂には、朱鳥元年(六八六)謀反の疑いにより自害した大津皇子の墓がある。
【参照項目】➡當麻寺
【執筆者:川中教正】