一巻。道教念空撰。長西の諸行本願義に対する謗難、特に良忠の『決疑鈔』『肝心集』『東宗要』に対して弁駁べんばくした書。著者は長西の門弟。金沢文庫に、延慶二年(一三〇九)湛叡書写の残欠本(一三紙残存、二箇所欠紙)が現存している。内容は、道教が良忠の指摘を六個挙げ、一々に対し弁駁すると共に、第二十願は諸行本願の義を明かしたものであることを論証している。末尾に法然門流の四人のうち、長西の義が最も勝れていることを太陽の光に喩えて結んでいる。
【所収】石橋誡道『九品寺流長西教義の研究』(国書刊行会、一九八四)
【参照項目】➡道教二
【執筆者:後藤史孝】