ないぼん・げぼん/内凡・外凡
いまだ真のさとりに到達していない凡庸な人のことを凡夫と名づけ、このうちの勝れた者を内凡とし、劣った者を外凡とする。小乗では、五停心・別相念処・総相念処の三賢を外凡、煖・頂・忍・世第一の四善根位を内凡としている。大乗では、『瓔珞経』所説の五十二位の十信を外凡、十住・十行・十回向の三賢を内凡としている。懐感『群疑論』では、特に位が退転する外凡を風が吹けば飛ぶ軽毛に譬え、位が退転しない十住以上の菩薩を内凡としている。
【資料】諦観『天台四教儀』、『群疑論』四
【参照項目】➡凡夫
【執筆者:吉水岳彦】