どうちゅう/道忠
—弘安四年(一二八一)一月二九日。乗円房という。俗姓不詳。良忠の弟子。初め比叡山の聡慧に俱舎・天台を受け、また南都において法相を蓮乗(「蓮上」とも)に学ぶ。後に良忠に師事し、慈心・理真らとともに『伝通記』作成の席にあり経論疏を引く役を担った。文応元年(一二六〇)良忠の命によって、南都に遊学し顕静のもとで唯識を修め、帰省した後の文永六年(一二六九)一二月、『釈浄土群疑論探要記』一四巻(浄全六所収)を著した。後年、良忠の教義に反したために離弟されたと伝えられる。
【資料】『鎮流祖伝』三(浄全一七)、慶順『諸記要語類聚』
【参照項目】➡釈浄土群疑論探要記
【執筆者:沼倉雄人】