布教伝道する者が道行用に使用した帽子。茶人帽の一種で、茶色無地で宗紋焦茶糸縫の徽章きしょうを付して使われ、菊桐崩模様の伝道袈裟と対として用いられた。したがって伝道服(道衣・改良服)・伝道袈裟(茶地)・伝道袴(茶袴)と一具のものとされてきたが、現在では半誌公帽子はんしこうもうすと共に、ほとんど使用されることはない。円盤帽(水兵の帽子のようなもの)とも称している。
【参考】中野隆元『本山布教の活躍』第貮篇『本山布教師の性格と本山布教の歴史』七七(増上寺布教師会、一九五六)
【執筆者:清水秀浩】