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天冠化仏

提供: 新纂浄土宗大辞典

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てんがんけぶつ/天冠化仏

観音菩薩の頭上の宝冠の中に立つ化仏のこと。『観経』の第一〇観音観に「頂上には、毘楞伽摩尼びりょうがまにほうを、もって天冠とせり。その天冠の中に一りの立てる化仏あり。高さ二十五由旬なり」(聖典一・三〇二/浄全一・四四)とある。善導は『観経疏』でその記述の意義について、「正しく天冠の内の化仏の殊異なることを明かす」(聖典二・二七五/浄全二・五〇上)と説明しており、『般舟讃』にも「天冠の化仏高さ千里なり」(浄全四・五四一上)と記している。法然は『逆修説法』に「この観音は、仏恩を報ぜんがために、本師の阿弥陀を載せ給えるなり」(昭法全二六三)と説明している。


【執筆者:齋藤蒙光】