二巻。『徹選択集鈔』ともいう。正元元年(一二五九)、良忠述。聖光『徹選択集』の注釈書。本書は、上巻に一九項目、下巻に一三項目を挙げ、『徹選択集』を注釈する。はじめに『徹選択集』の記述が『選択集』に違背していないことを示している。その記述は相伝の義によった解説がなされ、内容的には当時の『徹選択集』に対する批判などに対応したもののようである。
【所収】浄全七
【参考】石井教道『選択集の研究 註疏篇』(誠文堂新光社、一九四五)
【執筆者:沼倉雄人】