鐘の音を聴くことによって受ける功徳を説いた偈文。「一聴鐘声いっちょうしょうしょう 当願衆生とうがんしゅじょう 脱三界苦だつさんがいく 速証菩提そくしょうぼだい」(『諸回向宝鑑』二・二九オ)。ひとたび鐘の音を聴けば、人々共に三界の苦しみを脱して、速やかに悟りを成就することを願う、の意。鐘の「声を聴く功徳の文」ともいい、洪鐘の音を聴くときの功徳を説いた文。『諸回向宝鑑』には、出典は『増一阿含経』とあるが、正確な出典は不詳。
【参照項目】➡打鐘功徳文
【執筆者:斉藤隆尚】