生死の境にある人、あるいは息を引き取った直後の人に対して、名前を呼ぶことによってよみがえりを願う呪術的な習俗。たまよばい、呼びもどし、よぼしかえしなどともいう。肉体から霊魂が遊離することによって仮死状態となり、やがて死に至るとする日本人の伝統的霊魂観に基づいている。名前を呼ぶ場所は、枕元、屋根など高い所、山、海、井戸の底に向かってなど様々であり、また呼ぶ人も近親者、近隣の者などそれぞれである。
【参考】井之口章次『日本の葬式』(早川書房、一九六五)
【参照項目】➡葬送儀礼
【執筆者:名和清隆】