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荼毘式

提供: 新纂浄土宗大辞典

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だびしき/荼毘式

火葬する直前に行う法要儀式。火葬場で遺体を荼毘に付すときに火葬炉前で勤める回向のこと。かつては火葬場以外に、荼毘のための三昧堂または火屋ひやが設けられ、そこで引導誦経を勤めてから荼毘に付した。三昧堂での式を三昧式といい、火屋での式を露地式という。現在では、衛生上の問題もあり条例ともあいまって、全国に公営・民営の火葬場が整備されている。一部土葬が認められている地域を除いて、市町村長の「火(埋)葬許可証」の発行により、遺体が荼毘火葬)に付される。地域によっては、葬送の列を組んで火葬場まで遺体を運ぶが、霊柩車で運ばれることがほとんどである。火葬場の設備によって、告別室(荼毘式専用の部屋)で回向の後に炉前に移動する場合と、火葬室の炉前で回向する場合など地域差がある。荼毘式は、葬儀式の一連の流れの中で行われるもので、式次第根本陀羅尼摂益文念仏一会回向文十念という正宗分のみの法要である。


【参照項目】➡三昧式葬儀式


【執筆者:中村瑞貴】