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出離

提供: 新纂浄土宗大辞典

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しゅっり/出離

離れて抜け出ていること。ⓈnaiṣkramyaⓅnekkhamma。詳しくは、生死輪廻を繰り返す迷いの境界を離れ出ること、煩悩の束縛から離れ出ること、覚りの境地に入ること。とくに出離生死ともいう。仏教の目的を端的に表現した語。浄土教において出離とは、念仏を称え、阿弥陀仏本願力に乗じて極楽浄土往生することをいう。法然は自らの求道の遍歴について『四十八巻伝』六において、「出離の志深かりし間、もろもろの教法を信じて、諸の行業を修す」(聖典六・六一)と述べ、三学非器の自覚を経て、回心して浄土門に入ったと述べている。また『同』四四では、隆寛が「しきりに出離の要道を尋ね申され」(聖典六・六七〇)たのに対して、「浄土の法門ねんごろに授け給いけり」(同)と、出離の要道として、念仏による極楽往生の教えを授けている。


【執筆者:曽和義宏】