葬具の一つで、シカバナともいい、四花、紙花、死花などの字が当てられることもある。その形式は種々であるが、細長い白紙、または銀、金色の紙に細い切れ目を入れ、細い棒に螺旋状に巻きつけ花に見立てる。四本を一つの台や花瓶にさし、これを単独、あるいは対にして祭壇や棺の前に置く。死者の霊魂を憑依させる依代よりしろの一種とも考えられている。また葬儀後に墓地の四隅に立てる地域も見られることから、これを墓地の結界を表す忌串いみぐしの幣ぬさにその起源を求める説もある。
【参考】五来重『葬と供養』(東方出版、一九九二)
【執筆者:名和清隆】