二巻。『論註研機鈔』『浄土論註温古録』ともいう。賢洲著。著述年代は賢洲が筑後善導寺に住していた寛政三年(一七九一)—文化九年(一八一二)の間。曇鸞『往生論註』の各章節の綱領、主要字句の意義などを通釈した江戸時代の末書。もと『温古録』と名付けられていたが、のちに『研機鈔』と改められた。註釈にあたっては鎮西正義に則っているが、実相身為物身や経体などに関する良忠の解釈については批判し誤りを正したり、さらに詳細な註釈を加えるなど旧説にこだわることなくその非をあらため、独自の見解を示している。
【所収】続浄五
【参照項目】➡賢洲
【執筆者:加藤芳樹】