ⓈgadyaⓈcūrṇikaの訳語。仏典中の表現形式の一つ。語数・韻律に制限のある略説の偈頌に対して、それらに制限のない広説の散文をいう。仏典は偈頌と長行の組み合わせからなる。その定義はインドのカーヴヤ理論や、中国撰述註疏に一部確認できるが、インド撰述仏典には確認しがたく、十二分教中の応頌(重頌)の説明において若干の言及が見られる程度。例えば玄奘訳『顕揚聖教論』には「応頌とは長行の後の諷頌を謂う。及び所説の不了義経を略挙す」(正蔵三一・五三八中)と、わずかに触れられる。
【執筆者:中御門敬教】