一二~三世紀頃、生没年不明。来阿弥陀仏ともいう。『西方指南抄』中本には鎌倉に来阿弥陀仏という、信心の深い尼僧が住していたとある(『親鸞聖人全集』五・一四五~六)。建暦二年(一二一二)正月二四日の夜、夢中に善導に似た聖が現れ、翌日午後に法然が往生することを告げる。翌朝法然のもとに参じ、往生に立ち会う。同様の記事は『四十八巻伝』三八、『九巻伝』七下にも確認できる。
【参考】赤松俊秀他編『親鸞聖人真蹟集成』五(法蔵館、一九七三)、法然上人研究会編『法然上人伝の成立史的研究』二〈対照篇〉(復刻版、臨川書店、一九九一)
【執筆者:南宏信】