仕事・家庭といった日常を生きることには必ず苦労・困難が伴うが、そうであるがゆえにそれを忘れてでも打ち込もうとする遊楽の行動をいう。単なるストレス解消のための「レクリエーション」でもなく、ただ日常から解放される楽しみのためにおこなわれる「遊び」とも異なり、娯楽は日常を営みつつ、金銭面や時間などの制約をうけたなかで現実的にそれらとの兼ね合いを考えたうえでおこなわれる楽しみを指す。日常生活の制約からはずれ、楽しみに没入してしまえばそれは「道楽」となるのであり、あくまでも日常世界(俗)に属しつつ、そこでの困難の裏返しとして得られる楽しみのことを娯楽と呼ぶ。
【執筆者:山梨有希子】