二巻。『大原談義聞書鈔』の注釈書。著者は『蓮門類聚経籍録』に覚誉とあり、一説には撰要寺(静岡県掛川市)の住僧という。序分で聖聡の『見聞』を「旧解」、無絃の『纂述鈔』を「近代の鈔」と呼称する点などから、江戸中期ごろの作と考えられる。また前者は科分や解釈が粗荒で、後者は細密だが不当な説もあるといい、当鈔では別解を挙げるのではなく、両書の善を選び取り不善を捨てるから「選要鈔」と名付けたという。実際、構成や内容はおおむね両書による。
【所収】浄全一四
【参照項目】➡大原談義聞書鈔
【執筆者:齋藤蒙光】