応化道場とは釈尊が成道した菩提樹下金剛座の如き、応化身の仏が成道した場所のこと。『観経』に念仏する者の功徳として説かれる「まさに道場に坐すべきをもって、諸仏の家に生ずべし」(聖典一・三一四/浄全一・一五)の「道場」についての良忠の解釈。『伝通記』散善義記三(浄全二・四三六上)には、道場に応化道場と真実道場の二義があることを明かし、場所を定める応化身の道場に対して、機根が熟すれば時処を簡えらばずとも仏果を証することができるとして、これを真実道場とする。なおこの釈は『決疑鈔』四(浄全七・三〇五下)にも見られる。
【執筆者:兼岩和広】