生没年不明。『琳阿本』二のみに見える僧名。『四巻伝』一では、法然が『華厳経』を被覧のとき、怪しげな蛇が現れたのを見て恐れた信空は、夜の夢に、私は法然を守護するために青竜として現れたので恐れることはないと言われたということを記すが、『琳阿本』ではほぼ同文を引くにもかかわらず、「信空」を「円明善信」とする。同内容の記事は法然諸伝がすべて「信空」とするのに対し、『琳阿本』のみが「円明善信」とする理由は定かでなく、「円明善信」という人物についてもその詳細は不明。
【参考】中井真孝『法然上人伝絵詞(妙定院本)』(『法然上人絵伝集成』二、浄土宗、二〇〇八)
【執筆者:山本博子】