歴縁とは行・住・坐・臥などの日常の動き、対境とは眼・耳・鼻・舌・身・意の六根が色・声・香・味・触・法の六境に対すること。すなわち歴縁対境とは、日常の所作の中で感覚器官がその対象に出会うことであり、日常の心身の働きといえる。智顗ちぎ『修習止観坐禅法要』には「止観を修するには二種あり。一には、於坐中修。二には、歴縁対境修なり」(正蔵四六・四六六下)と説かれており、日常の所作や認識を見つめ直す止観の方法が詳しく説かれている。
【資料】『修習止観坐禅法要』
【執筆者:石田一裕】