一五巻。内一巻は目録。珂然著。目録巻の元禄一〇年(一六九七)三月の珂然題辞によると、司馬遷の『史記』にならって、法然とその門流、さらに法然に関わりのある人々の事歴を記したという。内容は法然の本紀にはじまり、鎮西・西山・長楽寺各流義の門弟、法然の師僧・弟子、法然と関わった諸宗の高僧、法然に帰依した天皇・貴族・武士・庶民・尼女、法然の教えに背いた弟子など多岐にわたっている。元禄一〇年の版本が大正大学図書館等に所蔵。
【執筆者:福田行慈】