ゆいてい/遺弟
仏教を奉ずる、釈尊滅後の弟子。転じて、師匠の遷化に遺された弟子をいう。『平家物語』下には、「忽に釈迦の遺弟につらなり、忝く弥陀の本願に乗じて」(『日本古典文学大系』三三、四三五)とあり、仏弟子をいう。知恩院御忌の諷誦には「遺弟等、敬て白す」とあり、唱導師は法然の遺弟としてその恩徳を讃歎している。『法要集』(大正一三年版)には、「出家の葬儀ならば遺弟の上座なるもの導師に三拝龕前に三拝焼香畢て龕前一拝し、其他の者は導師龕前前後共に一拝すべし」とあった。僧侶の葬儀では、その寺院の継承者である法嗣を指すことがある。
【参照項目】➡法嗣
【執筆者:西城宗隆】