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ポタラ宮殿

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ポタラきゅうでん/ポタラ宮殿

チベットの主都ラサのマルポリ山の斜面に建てられた宮殿。ポタラ宮は赤宮と白宮の二つの部分に分かれる。基体となる白宮の一部は古く、建物も徐々に規模は大きくなっていったが、一六六一年にラサを訪ねたキリスト教教師のスケッチには「赤宮」にあたる部分は未だない。赤宮の部分が建て増しされたのは、五世ダライ・ラマの摂政サンギェギャムツオの頃(増築作業の完成は一六九六年)であり、吐蕃とばん時代の王であったソンツェンガムポ王が顕彰されて、その王と歴代ダライ・ラマとの繫がりを印象付ける様々な施設がポタラ宮の中に整備された。ダライ・ラマの権威を確立すべく、チベットの創世と関連づけられる観音菩薩とダライ・ラマを結び付けるため、摂政は観音の霊場と信じられるポータラカのイメージをこの宮殿に集中させた。すなわち「観音の化身であるダライ・ラマの前世がソンツェンガムポ王でありその生まれ変わりが歴代ダライ・ラマ法王である」という構図がダライ・ラマ政権を支えた。


【参照項目】➡チベット仏教


【執筆者:小野田俊蔵】